勉強になったこと。

先日紹介した周央サンゴちゃんですが、週一ペースくらいで囲碁頑張っています。

動画で見ていると、職業柄、先生役の四宮伊織さんがどういう風に教えているのか、気になってしまいます。

「もっとこうしたほうがいいのに」という部分と、

「なるほど、この教え方はいいかもしれない」という部分があって、

さらにそれに対するコメントの反応などが分かるので、意外と私のような指導者にとっても見ていてためになる部分が大きいです。


その中で特に良かったのは、「何をもって陣地が確定するのか」という部分です。

四宮さんは2つの大事な点を説明していました。

1.陣地の外壁が取られないこと

2.相手が陣地の中に入ってきても生きられないこと

です。

特に2.の説明で生きるための最小の形(広さ)を説明していたのも良かったです。

これは実は入門指導で昔からある手法の一つなんですが、私はイマイチしっくりこなくて敬遠して使ってこなかったんです。

しかしいざ教えているのを見てみると、確かにそれがあると生きる広さを感じやすい。

ちょっと実際に説明してみましょうか。


まず最初のよくある説明としては、こんな感じの盤面だと、右側が黒の陣地で左側が白の陣地だよーというぼんやりした説明。

例えば1.の陣地の外壁が取られないというのは・・・

こんな感じの外壁だと、石がきちんと縦横につながっておらず、特に黒石がいくつかアタリ(あと一つで縦横を全部囲まれて取られる状態)になっているので、まだきちんと陣地ができていません。

黒1とこちらのアタリをつなぐと白2とこちらの黒石を取られるような感じですね。きちんとした陣地を完成させるには・・・

黒3以下一例ですが、縦横をきちんとつなげてガッチリとした壁を作る必要があるということです。黒7までのようになれば白も黒も完璧につながってもう取られる心配はありません。

強くなってくると最後の黒7は必要ないか、とか考えたりもしますが、ともあれこれで陣地完成です。


もうひとつ、2.の相手が陣地の中に入っても生きられないというのは・・・

例えば、このような配置になったとします。これまでの説明だと、右が黒の陣地、左が白の陣地となるわけですが・・・ちょっと気になること、ないですか?

右側の黒の陣地は疑いようがありません。白が入ってきても、このように囲んでいけばそのうち取れるので、白は入ってこれません。

しかし左側の白の陣地はずいぶん広い。広すぎると黒から入っていく余地があります。

黒1、3のような感じで入ってこられると、左上に黒の陣地ができて生きられてしまうでしょう。


では、どのくらいの広さが残っていると入られてしまうのか、というのが考える基準になるわけですが、ここで先ほどの最小の生きる形、がヒントになってきます。

こちらの形が、最小の生きる形です。白の陣地は2目あります。それぞれの地点は黒から入ろうとすると、入った瞬間まわりが全部囲まれるので入れない、「着手禁止点」になっています。

それが2か所あると、黒は永遠に手出しができなくなり、白が「生き」た形になります。

「生き」の細かい要素はさておき、とにかくこれが最低限生きるのに必要な広さとなります。結構な広さが必要ですね。

そして、当然一手ずつしか打てないのが囲碁ですから、相手が邪魔してくることを考えればこれよりもっと広さが必要、ということになります。

例えば、一番最初の黒と白の陣地の説明の図で考えましょう。黒が白の陣地に入ろうとすると、白に囲まれていきます。

黒9までだと、一番左下に1つだけしか黒の陣地ができません。さっきの「着手禁止点」は1つだけしかないと、完全ではありません。

この図のように、まわりを完璧に囲まれてしまうと、次にそこに置かれた時に、全部囲まれるので・・・

白10と置かれて、黒が全部取られてしまいます。

パソコンやアプリでやると、ルール上置ける時は置けて、石も勝手に取ったやつは消えるので昔より簡単かもしれません。

ということで、この場合はまあ多分白の陣地だろう、ということになります。

とはいえ最初の内はやってみないと分からないので、入ってみてうまくいったり行かなかったりしながら学んでいく感じになりますね。


さて、ざっと説明してみましたが、どうでしょうか?

よくわからなかった人は、是非ンゴちゃんの動画を見てね!

将棋じゃないほう。~吉森弘太郎の新宿囲碁教室~

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