6位 芝野虎丸
現役棋士の最高順位になってしまった6位、芝野虎丸先生の紹介です。
言い換えれば現役棋士で最も好きな棋士です。
最近では一力遼、許家元と並び令和三羽ガラスと言われているようです。
虎丸先生の碁の魅力は、7位で紹介した趙治勲先生と似た「気合の良さ」です。
治勲先生も虎丸先生のことを評価している節があります。自分に近いものを感じるのかなと思っていますが。
ただ治勲先生と虎丸先生の大きな違いは、虎丸先生の「気合」は色んなパターンがあり、自由度が高いことだと思います。
本来なら早く大場に向かいたいようなところでしっかり傷を補う一手パスのような手が打てる気合、そこまで踏み込まないだろうというところに踏み込んで戦う気合、規模の大きな捨て石で局面全体を有利にしようという気合、などなど。
ざっくり言うと、「すごい」んです。
語彙力が低下してしまいましたが、本当に美味しいものには「美味しい」という感想しかないように、本当にすごいものには「すごい」という感想しか出ないもの。
ただ、気合派の弱点は緻密さ。「よう分からんけどいってしまえ」って感じになっちゃうんですよね。私も気合派なので良く分かります(笑)いや、まあ私はそもそも緻密に読むことなんかできないので気合で打つしかないんですけども(-_-;)
虎丸先生の最近の成績が今一つ(とはいえかなりの好成績だが)なのはそんな緻密さの不安が形になって表れているのかなと思います。
逆に令和三羽ガラスの一力先生は今ノリにノっています。一力先生の強みはズバ抜けた読みの緻密さにあります。碁の特色は少なく、緻密さに基づいた鋭い手が多い、という印象。
経験と読みがちょうど今噛み合っている感じで一力先生史上一番良い状態だと思います。
でも私は気合のいい方が好きです。まだ虎丸先生は若いので色々自分のスタイルに悩むこともあるかもしれませんが、気合の良さは変わらず持ち続けてほしいなと思います。
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