4位 太田雄蔵
今回は4位の紹介。太田雄蔵はやはり江戸時代の打ち手で、有名な本因坊秀策のライバルの一人です。
ライバルというにはやや秀策の方が強いのですが、秀策は雄蔵よりだいぶ年下で、親子以上年齢が離れていたにも関わらず、戦績は4:6くらいでした。
恐らく対局した数でも最も多いのではないか、というくらいに対局していて、秀策のライバルとして最初に名を挙げるならこの人だと思います。
太田雄蔵は盤外でも変わったプロフィールの持ち主です。普通江戸時代では囲碁の打ち手は武家の出身が多いのですが、珍しく町人の出。
七段になると出られる御城碁(プロの試合。将軍様の前で打つ。)というのがあるのですが、それに出るためには髪の毛を坊主にするのが決まりでした。
しかし雄蔵はどうもイケメンだったらしく、七段になった時、坊主にするのは嫌、と言って御城碁には出なかったらしいのです。いわゆる「江戸っ子」的なタイプでした。
盤上でもその「江戸っ子」感が出るのが私の好きなところで、小目はあまり使わず、高目、目外しといったややイレギュラーな打ち方を好んで使いました。
高目や目外しだと打ち方も豪快になりがちで、実際に豪快な打ち回しも随所に見られました。もうみなさん分かっていると思いますが、私は緻密な碁より豪快なタイプの碁が好きです。
私もこの雄蔵や1位で紹介する幻庵の影響を多いに受け、一番好きな隅の打ち方は目外しになりました。
さすがに指導碁ではあまり使う機会が無いのですが、目外しの魅力を体験したい方はぜひ申し出てください。喜々として目外しに打ちます!
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