1位 幻庵因碩
いよいよ1位、幻庵因碩の登場です。
「幻庵」は通称で、囲碁の名門、井上家の人。井上因碩がちゃんとした名前ですが、この名前は世襲制で井上因碩と言っても何代目?ってなってしまうので、この「幻庵」が分かりやすい呼称です。
「幻庵」の名前は百田尚樹の小説でも良く知られているかと思います。とはいえ、私、その小説読んでないんですが・・(^^;)
そんなので一番好きなのかよって言われそうですが、私が一番棋譜をたくさん並べて、今の私の碁を形作っているのが幻庵の碁です。
とにかくゴリゴリ戦いにして、しつこすぎるくらい攻める。だからと言って取りに行くわけでは無いが、それでもめっちゃ攻める。もちろん攻めて得をするのが非常にうまい。
現代の棋士やAIは攻めがあまり得意ではない(というか攻めるよりシノギの方がやりやすいと思っている)のですが、やっぱり碁の魅力と言えば攻め。そんな攻めに特化した幻庵が1位です。
しかし幻庵の最も有名な手と言えば、残念なことに幻庵の手ではなく、幻庵の対戦相手、秀策が打った「耳赤の一手」でしょう。今でも語り継がれる八方ニラミの妙手です。
しかしね、この手、打たれて幻庵の耳が紅潮したから「耳赤の一手」なんですよ。相手が幻庵じゃなきゃ大して有名にもならない一手なんですよ!
そして注目すべきは幻庵が耳赤の一手を打たれた一手前に打った手。これが幻庵らしいしつっこく攻める手なんですが、多分自信満々でこの手を打ったんです。そしてそれをサラっとかわすような妙手を打たれた。
耳が赤くなるほど本当に悔しかったんじゃないかな。自分を否定されたようで。幻庵は名人の座をかけて本因坊丈和や秀和(秀策の先々代、先代)と争い、破れ続けてついに名人になれませんでした。
そして跡目の秀策にもそんな妙手を打たれ。めちゃくちゃ強いのに大事なところで勝てなかった人生。
そんな背景も含め、人間臭い魅力も打つ手の魅力も満載なのが幻庵です。
そんなイメージを壊されたくないのでこれからもきっと小説は読みません(笑)
1位、幻庵の紹介でした。
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