ここ数年我が家のちゃぶ台的な仕事をしていたのは、「アレ」だ。碁打ちたるもの一つは持っておきたい「アレ」である。
囲碁を打つ人でマナーがしっかりしている人なら、まずそれをちゃぶ台やらアイロン台やらに使ったりはしない。「アレ」の上に物を置いたりするのはマナー違反なのだ。
恥ずかしながら私は囲碁の神様に祟られないか心配しつつ、ずっとちゃぶ台やらアイロン台やらに使っている。「アレ」と名前を伏せているのは囲碁の先生なのにまずいかなあという気まずさからだ。
さすがに直にではなく、カバーをかけた状態で使っているが、そのおかげなのか何なのか、幸いまだ祟られてはいない(と思う)。
そんな私だが最近テーブルを買った。今日届いたので晴れてちゃぶ台役は交代である。数年ぶりに「アレ」の上に物が無くなった。
しかし「アレ」を本来の用途で使おうかと思っても、今や私も時代の波に押され、もっぱら碁の勉強もパソコンでするようになってしまった。一人暮らしの私にとっては無用の長物になりつつある。
とはいえ少しばかりスッキリした。無精な私はいずれまた何か物を置いてしまうだろうが、子どものころから世話になった「アレ」に少しばかり孝行した気分だ。
ちょっと休んだらまたもうちょい面倒見てくれや。
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