今、囲碁界ではAIの打つ手を人間が勉強している状態です。
概ね理解できる、使いやすいものもあれば、全く理解できないようなことも。
私の場合、正直AIの勉強はしていません。たまにテレビの解説で言っているのを、へえ~、そうなんだ~って感じでたまに真似してみるというくらいです。
なので教室ではAIの事はほぼ扱いません。ですのでブログの方で少し解説していこうかと思います。
まずは、私がかつて好きだった手や、??と思っていた常識をAIが打ち破ってくれたものを解説していこうと思います。私の解説ですので、読みが必要な難しい話はほとんど出てきません。一席お付き合いを願います。
今回扱うテーマは、「ツケノビ定石」です。
上図のように、隅の星に白がカカリ、そこで黒が3の位置にツケていく定石です。基本の形として初級者~中級者の時に習うものですが、かつてプロの碁では黒が甘いとされ、ほぼ打たれなかった。
しかしAIがこの黒3を打つので、プロやトップアマも真似をするようになりました。
実はですね、この定石、私はAIが出る以前から、「なぜもっと黒評価されないのかな?」と不思議でした。不思議すぎて、かつて講義を担当させていただいたところで、「これ、黒かなり有力なんですよ」と詳しく解説していました。
AIが打ちだすようになって、「ようやくAIが俺に追いついてきたな(^<^)」とニヤリとしたものです。
ここからは何がどう有力なのか、私の説を紹介します。
隅の定石において、普遍的に重要なのが、「四つの方向」です。ほぼ全ての定石に当てはまります。「四つの方向」とは、
1.隅
2.白2方向の辺
3.黒3方向の辺
4.中央方面
です。この四つの方向を占めていくことが重要で、お互い二つずつ占めていればバランスが取れていて定石になっている、というケースが多いと考えています。
一例として、
この定石で考えてみましょう。この定石では、黒が上辺、中央を。白が隅、左辺を。それぞれ二つずつの方向を占めています。これはバランスが取れている定石と言えます。
では、例のツケノビ定石はどうでしょうか?
まず、黒が隅から左辺にかけて二方向占めています。白は上辺を占めています。では、中央は・・?黒の方が中央を占めている感じがしますよね。
そう、ほぼ三方向を黒が占めているんです!
これは明らかに黒が有利だと思いませんか。そんなわけでAIが使うのも納得の定石です。
この四つの方向理論は、これ以外にも色んな定石外れや知らない定石が出てきた時にも、大まかな方針を決める上で非常に分かりやすい目安だと考えています。企業秘密にしたいくらいです。是非参考にしてください。
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