AI考察~その4~

いやー、こんなに囲碁話を続けたのは初めてじゃないですかねぇ。

そろそろ与太話をしたくなる頃合いなのですが、まあ一区切りするまで頑張ろうかと思います。もう2、3回で終わる予定ですので、どうぞお付き合いのほどを。


さて、前回から「早すぎる三々」についての解説をしています。

今回は、三々に「入られた側」の対応を考えてみます。まずは従来の対応のおさらい。

黒5と「二目の頭」をハネて、黒7、9とノビていくのが従来の定石でした。この打ち方、今ではプロの碁ではほとんど見かけなくなりました。色々難しいことを研究した結果だと思います。

が、わざわざ難しいことを考えなくても、この黒7、9は緩慢な手なのだということに、私、気付いてしまったのです!

「二目の頭」をハネるケースを考えてみましょう。この図では黒13のハネです。この後・・・

白14と打った時は、黒15と二段にハネるのが筋。というのが定説です。一見危なっかしいようですが、これが一番厳しい。

白16、18と反発してきたら、黒19、21と白二子を取る手があるからです。この黒15の二段バネで・・・

本図のように黒15、17とノビていくのは、悪くはないけどちょっと緩い、という評価になっています。このリズム、どこかで見たような・・・?

そう、冒頭の図、黒7、9と同じ形なんです。と、いうことは。ズバリ、この黒7、9もちょっと緩い。のです!

ではどうするか。二段バネが筋という話でしたが、この三々の形で二段バネをすると、一つ問題があります。

黒7の二段バネは、白8、10で黒一子が取られてしまう、という点です。もっともこれで悪いわけでは無く、

黒11、13と打てば白二子が取れます。ただ白はポン抜きの形で、二段バネすれば黒がいい、とはなりません。互角です。定石なのでご存じの方も多いでしょう。

と、いうことで今一番有力なのは・・・

黒5のノビ!

強い人はケイマに外す手も知っているでしょうが、ここでは扱いません。それに私はこのノビが最善だと考えています。

白6なら、黒7、9とどんどんノビていればよろしい。これは黒緩んだ形はありません。白は「車の後押し」で、ずっと続けても黒の厚みの方が魅力的です。

従来の定石と違い、黒の壁が一つも断点の無い鉄壁であることも、黒が有利な点の一つです。白6で・・

白6と「車の後押し」を避けてケイマするのが流行形になっています。しかし白が序盤から二線に打っていて、とても白が良い進行には見えません。

細かい記述は省きますが、形も少し薄く、黒からの狙いも少し残ります。


以上のことから、「早すぎる三々」は、「ずっとノビられると良くない」というのが私の持論です。

今後さらにAIが学習していけば、いずれは私の理論に追いつき(笑)、三々ではない手を最善と判断するようになると予言しておこうと思います^^

長文にお付き合いいただきありがとうございました。

将棋じゃないほう。~吉森弘太郎の新宿囲碁教室~

2018年7月からスタートする囲碁教室の紹介や連絡をするページです。 後は好きなことを思いつくままに書いていければと思います。

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